今日私は人間ドックに行ってきた。
身長は0.7㎜伸び、体重は4㎏増えていた。
帰宅後、夫にそのことを話した。
夫「へぇー、じゃあ、46㎏位?」
4㎏増えて46㎏なら、元は42㎏になる。
おまえはアホなのか。。。
私は背が170㎝近くある。
それで42㎏だと栄養失調になってしまう。
うちの夫は、全女性は30㎏台か40㎏台で、50㎏を越える女性はヤバいと思っているのだ。
私「世の中の女性がみんな30㎏台だとも思ってんの?そしたら、日本はみんな拒食症か栄養失調なんですけど…!」
夫「え、ごめん。俺が小さいとき、お母さんがいつも50㎏は越えないようにって気にしてたから。」
夫「じゃあ、50㎏越えてるの?!」
私「言わない…」
ここまでは良かった。
しかし、次の夫の言葉で、
私はあの忌まわしい過去を思い出し、暗くて深い闇に突き落とされるのだ。
夫「こないだ実は、君が寝てるときに後ろから抱きついたんだ、気が付いた?」
私「ううん」
夫「ほんと寝たら全然起きないよね」
夫「その時、そういえば何か大きくなったと思ったんだよね」
おそらく読んでいる皆さんにとっては普通の会話であろう。
でも次の瞬間、私の喉のあたりがぎゅっと萎縮したのが分かった。
そして、怒濤の勢いでこう話し出した。
私「大きくなったってどうして分かるの?!私が今どのくらいの細さかなんて知らないはずよね、だって私たちセックスしてないんだから。
昔よりどこに肉がついて、どれくらいの年月をかけて大きくなったなんてわからないはずだよね?
日頃からセックスのある夫婦なら「最近少し太った?」と言われてもわかる。
でもあなたは一体何と比べて大きいって言ってるわけ?!
不倫相手のあやの(※仮名)さんが細かったから?彼女、すごく細くてスタイル良かったんだよね?そりゃ、それに比べたら大きいはずだよね!」
私がまだ夫の不倫に気が付いていないとき、服を着替えていた私に夫がこう言ったことがあった。
夫「こんなに背中大きかったっけ??」
その時は太ってしまったのかもしれないと思いショックを受けた。
でも、夫が実は不倫していたことを知り、はっきりと分かった。
夫は不倫相手と私を比べていたのだ。
侮辱だった。
あれから、1年8カ月。
わたしは夫の不倫は克服した。
発覚当初は、ドラマやニュースなどで不倫ネタが出れば、自分と重ねてしまい涙し、夫を責め立てていたけれど、今は同じシチュエーションでもネタにできるまでになった。
しかし、今回の一件で、私はとても大切な問題をおざなりにしてきたことに気が付いた。
それは、、、『セックスレス』
不倫が発覚する以前から私たち夫婦は『セックスレス』の問題を抱えていた。
しかし夫の浮気や不倫の問題は、私が受け止められる容量を優に超え、私の頭や脳をパンクさせた。
最初は近くを歩かれるのも、触れられるのも、同じ空気を吸うのさえ嫌だった。
そこから普通の日常を過ごせるようになるまで、嵐のような毎日を過ごしたが、今は結婚した当時より自分らしく過ごしやすく幸せに過ごせるようになった。
そしたらいつの間にか、セックスのことが気にならなくなっていた。
それよりも、自分のやりたいこと、ほしいもの、未来、自分の人生についての欲がドバドバとあふれ出した。
それは、私をとてもわくわくさせた。
それで良いと思った・・・。
この幸せな日常を取り戻す今日まで、私はセックスレスについては触れてはこなかった。
もうセックスのことが気にならなくなったから、というのも本心だが、
本当はきっと、私自身さえももう触れることができないほどに、辛い悲し過ぎる現実だったから。
私の潜在意識が勝手に、もう見ることも触れることもできないように、私の中の安全地帯、すなわちパンドラの箱へ『セックスレス』を押しやっていた。
でも今回の夫の一言で、そのパンドラの箱が開いてしまった。
私は夫の言葉の何がつらかったんだろう・・・
不倫を思い出した…?また侮辱されたと思った…?それとも私はセックスがしたいのか…?!
いや、違う!
だって今の私は不倫の話が出ても動揺しないはず。
じゃあ、何だっていうの?!
そう、私は思い出したんだ。
「私は女じゃない!」ということを。
私は女に値しない女。
そう改めて自覚させられたことが何よりも辛かった。
浮気が発覚してから今日までの1年8ヶ月、夫は私を愛してくれた。
人として、妻として、子供の母として。
その愛があったからこそ、私は浮気を乗り越えられた。
でも、何かが欠けているのも確かだった・・・。
それはきっと、『女としての愛』なのだろう。
愛し合って結婚したはずなのに、すぐ手が届くのに、、必要とされない惨めさ、そして絶望感。
今日私は、久しぶりに泣いた。
私はまだセックスレスを乗り越えられていない。
つづく・・・。